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4)アイビー小僧・・・覚えておくと体に良い言葉

アイビー小僧で、VANが倒産した後、VANの元社員有志がKENTを再建したと聞き、青山まで買いに行ったりしました。
独身の頃は、一応お洒落に気を使っていたのです。そんな頃、気になったのは「ティファニーで朝食を」でした。助演のジョージ・ペパードがアイビーでしたねえ。
それをうまく表現してくれたのが、村上春樹でした。彼もかなりのアイビー小僧ですからね。
では、村上春樹「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」から。
地底の暗闇の中で主人公は迫り来る洪水から逃れようと必死に道を急ぐ。そんな状況の中で主人公はウィスキーを飲みたいと思い想像する。
”清潔で静かなバーと、ナッツの入ったボウルと、低い音で流れるMJQの「ヴァンドーム」、そしてダブルのオン・ザ・ロックだ。
カウンターの上にグラスを置いて、しばらく手をつけずにじっとそれを眺める。
ウィスキーというのは最初はじっと眺めるべきものなのだ。”
そして服装にも想像は及ぶ。ここがいいんだね。
”ダーク・ブルーのツイードのスーツにしよう。と私は決めた。品の良いブルーだ。ボタンが三つで、ナチュラル・ショルダーで、脇のしぼりこまれていない昔ながらのスタイルのスーツ。1960年代のはじめにジョージ・ペパードが着ていたようなやつだ。シャツはブルー。しっくりとした色合いの、少しさらしたようなかんじのブルー。生地は厚めのオックスフォード綿で、襟はできるだけありきたりのレギュラーカラー。ネクタイは二色のストライプがいい。赤と緑。赤は沈んだ赤で、緑は青なのか緑なのかよくわからない、嵐の海のような緑だ。”
シャツの襟をボタンダウンにしないところが憎いじゃありませんか。
ティファニーで朝食を2.jpg

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| 覚えておくと体に良い言葉 | 20:41 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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6)冷麦・・・詩人旅行必携手帳

子供の頃には大嫌いだったのに、いつの間にか食べられるようになっているものがありますね。
中には、食べられるどころか大好物になってしまったものもある。
僕にとっては冷麦がそのひとつだ。
それまで、うどん蕎麦そうめん冷麦が嫌いだった。
なんでこんな味気ない粉を練ったものを食べるのか理解できなかった。
ちっとも美味しいと思えなかった。
それがどうだろう。今では、5月になるともう冷麦(あるいは素麺)を食べたくて仕方が無い。
書いてる今、無償に食べたくなってきたほどだ。
さて、大好物になった訳だけれど、下高井戸に原因はあった。
学生向けの店が並ぶ下高井戸商店街に、ある夏、冷麦屋さんが出現した。
小さなジャズ喫茶の跡地だったと思う。
スタンドだけの狭い店で、好きでもない冷麦だったから通り過ぎてしまうところだったが、安さに引き寄せられたのだった。
1杯180円だったかな。しかも「お代り自由」(!)
吸い寄せられるように店に入りオーダーしました。
1杯目は予想通りの味気なさだったけれど、2杯目に胃が喜びました。財布も喜びました。
4杯食べて満足した。そして、美味しく思えてきたのだった。
翌日も、翌々日も行きました。1人だけで。
当時は既に(キャンパス内では)ギタリストとして知られつつあった僕は、目の色を変えて冷麦をすする姿を、それも3杯もお代りする姿を知られなくなかったのだ。
という訳で、一夏で、嫌いだった冷麦は大好物になった。
あと、トマトと納豆と鰻も子供の頃食べられなかったのに、大好物になってしまったものなのだがその訳を考察するのは、今夜ウィスキーを飲みながらにしよう。
冷麦.jpg

| 詩人旅行必携手帳 | 20:31 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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5)下高井戸哀愁倶楽部・・・詩人旅行必携手帳

2年生の長い夏休みが終わって、東京へ帰ると(もう2年の頃には、東京へ「帰る」という感覚になっていたのですね)、「下高井戸哀愁倶楽部」の主要メンバーが、ハードロック兄ちゃんに変身していた。
髪こそ伸ばしていたけれど、まだボタンダウンを着ていた僕は、大変に焦った。
僕は慌てて、そいつらに店を教えてもらってブーツを買い(何しろロンドンブーツなんてオーダー品でしたから)、ベルボトムジーンズとウェスタンシャツを揃えて同じようなハードロッカー風の格好をすることになった。
髪も、下高井戸の美容院で、ロン・ウッドのようなウルフカットにしてもらった。ひえ~。
格好以上にびっくりしたのは、リードギター同士ということもあって特に親しくしていた2人が、本物のギブソンに買い替えていたことだった。(当時でも30万円以上していたと思う)
一人はSGカスタムで3ピックアップ・ビグスビートレモロ付。
もう一人もSGだったけれど、こちらは2ピックアップのスタンダード。
こやつはクリーム時代のエリッククラプトンになりたかったのだね。
僕はお金が無かったからギブソンは買えなかったけれど、ストラトキャスターを後輩に売ってチェリーサンバーストのレスポール・スタンダードのレプリカ(それでも10万円した)を買った。
エリッククラプトンを目指すやつとジェフベックを気取るやつがいたため、ジミーペイジを選ばざるを得なかったのだ。
そのくせハンブルパイやフォガットやウィッシュボーンアッシュをやっていたんだから、ガキの考えることは分からない。レスポールstd.jpg

| 詩人旅行必携手帳 | 18:46 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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4)’70thのキャンパスライフ・・・詩人旅行必携手帳

世田谷の郊外にある下高井戸商店街は、こじんまりした通りだったけれどいかにも田舎の学生街といった風情で、親切な町だった。
その商店街の切れたところに、僕が4年間通った学校があった。
理科系から体育学科まであるという総合大学のような構成の珍しい学部だった。
キャンパスが、またいかにも「大学のキャンパスというのはこういうものです」というキャンパスで、その「大学のキャンパス」度の高さは、加山雄三の若大将シリーズのロケに使われていたと言えば分かっていただけるだろうか。
芝生が広く敷かれ、大きな木々の間に校舎が点在していた。
春から秋の気候の良い頃は、沢山の学生が芝生で寛いでいた。
そんな中を掛け声をあげながら走っていく体育系のグループがあり、コーラスをする合唱団があり、イーゼルを立ててスケッチする女学生がおり、通りすがりの人々に向かって落語を演じる落研がいた。
学食の前に、最近建ててくれた練習棟から漏れ聞こえるのは、我「FSA」の馬鹿バンドの練習の音だ。
こんないい環境で勉強なんかちっともしなかったんだからね。
キャンパス.jpg

| 詩人旅行必携手帳 | 19:22 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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初秋(2)・・・覚えておくと体に良い言葉

前に、「書かないでおこう」などと気取ったのですが、書いてしまってもネタバレになるのではないことに気がつきました。
この小説は、ポールの成長の過程が重要なのであって、読み通さなければ最後のセリフによる感動は味わえないのだから。
ところで、僕が現在持っている「初秋」は文庫本です。最初に買ったのは当然ハードカバーだったのですが、結婚する友達にプレゼントしたのです。 その後も、何冊もハードカバーを買いましたが、同じようにして全部プレゼントしてしまい、気がついたらハードカバーは手元に無くなっていた。
それはともかく「初秋」のラストシーンです。
ポールを合法的に両親から独立させることができ、9月からポールの望んだバレー学校に行くことも決まった。
夏の初めから作り始めたログハウスもほぼ完成し、ポールは自立の鳥羽口に立った。ポールとスペンサーはささやかな祝杯をあげる。
暮れなずむ湖畔の森の中だ。野鳥や虫の鳴き声が森を包んでいる。その中に2人がいる。
汗の乾ききらない作業着姿でログハウスの上がりかまちに腰を掛け、とっておきのシャンパン(モエ・エ・シャンドン)をペーパーカップで飲む。
2人ともログハウスの完成に深く満足しているが、ポールは新しい学校に不安も覚えている。スペンサーは優しく励ます。
「おまえは努力して追いつかなければならない。しかし必ず追いつける。たった一夏で自分がやったことを考えてみろ」
「ただし僕はなにも自分のものにすることができなかった」
「できたよ」
「なにを?」
「人生だ」
・・・・
えー、胸が詰まるところだ。
初秋.jpg

| 覚えておくと体に良い言葉 | 14:33 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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3)イーグルスと冷奴・・・詩人旅行必携手帳

イーグルスは素晴らしかったね。
演奏はレコード通りの緻密さで、しかもヴォリュームはハードロック並みなのだ。
その演奏に載って、コーラスは澄んで響き渡り、ドン・ヘンリーのヴォーカルは沁みるように歌い上げる。
そして、ドン・フェルダーとジョー・ウォルシュのギターです。
呪われた夜のソロを、ドン・フェルダーは完璧に弾いてくれて、これにはノックアウトされた。
ジョーウォルシュは、得意のポパイ顔で縦横無尽・天衣無縫にアドリブしてくれたものだった。
で、その日の夜食はというと、コンサート代でスッカラカンの僕は、朝買っておいた豆腐に醤油をかけて食べたのでした。
豆腐だけだよ。ご飯なんか無いんだから。
実は、バイト代も仕送りもギターやアンプに注ぎ込んでしまい、もう1ヶ月も1日の食費が50円!という日々をおくっていた頃の話です。
経済状態は好転せず、その1日50円の生活は、結局3ヶ月間も続いたのでした。
1日1回、学食のカレーライスを食べるかインスタントラーメンを食べるか冷奴を1丁食べるか、という生活。
でも、毎日楽しかったものです。

呪われた夜.jpg

| 詩人旅行必携手帳 | 11:58 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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2)蝉しぐれ・・・覚えておくと体に良い言葉

前回は、「初秋」という少年の成長物語の話でした。
今回も少年の成長物語ですが、日本の時代小説で藤沢周平の名作「蝉しぐれ」です。
子育ての経験があるオヤジというものは、実に子供の成長物語に弱い。
すぐに感動してしまうのですね。困ったものです。
父が汚名を着せられて死罪となった後、艱難辛苦を乗り越えて成長していく物語で、淡い恋あり友情ありの青春小説でもあります。
また、海坂藩という東北地方の小藩の四季がとても瑞々しく描かれている名文です。
主人公・牧文四郎の父である下級藩士の牧助左衛門は、自分の属するグループの政敵の罠にはまり、仲間とともに切腹させられます。
息子である牧文四郎は父の処刑の前に面談を許されますが、ただただ父の話を聞くばかりで何も言えないままに最後の別れをします。
父の処刑の後、傷心の文四郎を親友が訪れます。
「何も話せなかった。父を尊敬していると言えばよかったんだ」
これ一発で、私などは胸が詰まってしまうのですね。
こんなふうに尊敬される親でありたいと思い、素直な子であってほしいと思い、そうではない現実があるわけです。
それなのに、というよりも、それだからこそ成長物語に弱いのでしょう。
そしてまた、親友たちと危険な気配のする行動をとりはじめた文四郎に母親が心配して問い詰めた時、
「私は、牧助左衛門の息子です。けして父に恥じるようなことはいたしません。」
「それで安心しました。」
この息子にしてこの母あり。
凛として信念を持った息子と、深く信頼する母親。
これで既に目は心の汗でいっぱいであります。

今年10月に映画が公開されるそうですが、まずは、藤沢周平の珠玉の文章を読んでみて下さい。

| 覚えておくと体に良い言葉 | 11:01 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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