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1)初秋・・・・覚えておくと体に良い言葉

ロバートBパーカーの「スペンサー・シリーズ」(早川書房)の7作目「初秋」が好きだ。
私立探偵スペンサーは男性誇示癖の強いマッチョマンで、恋人スーザンに言わせると「円卓の騎士ガーウェイン卿になりたかった男」である。
「初秋」は、シリーズの中でも異色の作品で、ハードボイルドにつきものの謎解きやヴァイオレンスシーンはほとんど無い。
14歳の少年ポールの成長物語なのである。感動した。

離婚した夫が息子ポールを連れ去ったので取り返して欲しいという母親からの依頼がくる。
スペンサーは簡単に連れ戻すが、その少年のすっかりスポイルされた姿・心に愕然とする。
離婚調停中の両親が、裁判を有利にできるよう或いは相手に対する嫌がらせのためだけにポールを利用しようとしていたのだ。
ポールは、永年両親から愛されたことがなかったために、痩せこけ、底意地悪くなり、心を閉ざしてしまっていた。

実情を理解したスペンサーは、あてにならない両親から離れ自立して生きていけるようポールを鍛えようと決心し、ポールに説明する。
「お前の親はどちらもお前を育てようと言う意志がない。お前は自分がどうすべきか決めなければいけない。
俺は,お前がそれを決められるよう手助けをしたい。」
おせっかいに過ぎるとたしなめる恋人スーザンには、
「ポールにとって今はまだ初秋だ。しかし、いずれ冬(=一人で生きていかなければならない時期)が来る。厳冬が訪れる。
冬が来る前にポールはそれらを学ばねばならない。学ばなければ、彼は自立した人間として生き延びられない。
残された時間はそう多くはない。」

スペンサーはポールを山荘に連れて行き、そこでランニングを教え、ボクシングを教える。
こんな事なんの役に立つの、というポールの問いに対し、彼は答える。
「何が得意かでなく、得意な物が何かある、と言うのが重要なのだ。」と。
「俺は数学や音楽は教えられない。しかし、ボクシングや体を使うことなら教えられる。得意な物が一つあれば、自分自身に自信が持てる。」
そして、二人で一夏かかって、丸木小屋を作ろうと提案する。自分の力で何かを作る喜びを教えるために。
反抗的で投げやりだったポールだったが、そのような生活の中で、やがて心を開き体も鍛えられていく。

いいなあ。今、読み返しても胸が熱くなり、目が潤んでしまう。
ラストシーンにも(当然のことながら)叙情的で誠に感動的な会話があるのだが、それをここで述べるのはやめておこう。
女性の方も、ぜひ一度、読んでみて下さい。
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| 覚えておくと体に良い言葉 | 18:05 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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